矯正歯科は歯並びを綺麗に整え、審美性だけを追求する治療だと思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、矯正治療は審美性だけのための治療では決してありません。

矯正歯科は、歯並びと咬み合わせのバランスを整え機能性の高い口腔内に導く目的もあります。歯並びが悪いと、食べカスが溜まりやすかったり、歯磨きがしずらいなどの問題があり虫歯へのリスクが高まります。また咬み合わせが悪いと歯や歯茎に負担がかかり、歯周病を引き起こす原因にもなりかねません。そのため、メンテナンスしやすくいつまでも快適な口内環境を保つためにも矯正治療は必要となってくるのです。

小児における矯正治療

北米の多くの国では、19歳までの矯正歯科治療は全額公費負担で、スウェーデンでは学童の約30%がその恩恵を受けています。虫歯防止の進んだ国では、むしろ矯正歯科が小児歯科では最も一般的な治療になっています。いかに矯正治療が小児期からの全身的な成長に重要であるかを示しています。

小児矯正は1期治療と2期治療に分けることができ、1期治療は4~5歳の乳歯だけの時期から11歳くらいまでの永久歯と乳歯が混在している時期までの期間です。まだ小さく柔軟なお子様のあごの成長を促進または抑制することによってバランスを整えることが目標です。
2期治療は生えそろった永久歯全体の噛み合わせを整えるための治療です。1期治療ではあごの骨のバランスや大きさを整える骨格矯正で、いわば土台を整えるのを主目的としています。2期治療はすべての永久歯の位置を整えるため本格的矯正装置による治療です。顎の成長期において左右のバランスが狂っていると、片方だけで噛んでしまう事で噛み合わせが悪くなり、顔の非対称が悪化することがあります。また、顎の機能は脳にも影響を及ぼすため、小児期には顎の成長のバランスを整えること大切です。

成人矯正

最近では大人になってから矯正治療を始められる方も多くなってきました。ひとつには治療期間を短縮できる方法や、目立たない装置が開発されたことも要因かもしれません。基本的に矯正治療は何歳からでも始められます。綺麗な歯並びに治すことで噛み合わせによる顎の負担を減らしたり、歯周病予防に大いに役立ちます。
 

代表的な装置としてワイヤー矯正が知られていますが、歯に「ブラケット」という装置を取り付け、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を動かしていく最もスタンダードな矯正法です。ワイヤー矯正は歯にブラケットを付けなければならないので見た目があまり良くありませんが、ブラケットには金属のもの以外にも、透明のプラスチックやセラミックで出来たものもあります。

歯並びが出たり引っ込んでいたりして、歯が正常な歯列を形成していない状態を言います。八重歯等が典型的な症状で、顎の大きさと歯の大きさが不調和であることが主な原因です。
 
上の歯が非常に出ていて口が閉じにくく、しかも咬み合わせも深いため下の歯が見えない状態です。歯を折りやすいなどの外傷にもつながります。 また、骨格に問題がある場合と歯だけが前に出ている場合があります。小児期の治療であれば、骨格の改善を行うこともできます。
 
下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせを反対咬合(受け口)と言います。受け口の人は食べ物がよく噛めないだけでなく聞き取りにくい話し方になります。
※一部、保険が適用されない治療がございます。当院では十分なご説明のもと、いくつかの選択肢をご提案の上、治療計画を立ててまいります。お気軽にご相談ください。
 
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