歯周病は虫歯よりも
怖い病気です MORE FRIGHTENING THAN
TOOTH DECAY
歯周病は30代の8割が罹患しており、生活習慣病の一つともいわれています。悪化すると強い痛みを感じる虫歯とは違って目立った自覚症状が少なく、発見が遅れがちです。また、菌が血液を介して全身にまわると、心疾患や脳卒中、妊娠・出産トラブルなどを引き起こす可能性があります。
歯のグラつきや噛んだときの浮いた感覚があったときには、重症化しているサインです。歯周病で歯を失わないためにも、自覚症状がない段階での治療や予防を心がけましょう。

SYMPTOMS こんな症状
ありませんか?
- 01 歯磨きをすると
歯ぐきから血が出る - 02 歯ぐきが赤く腫れている
- 03 口臭が強くなった
- 04 歯がグラつく
- 05 歯ぐきから白い
ネバネバしたものが出る
歯周病の進行 FLOW
- 01
バイオフィルムの形成
歯と歯ぐきの境目には、歯周ポケットという溝があります。ここに歯周病菌が集まって、バイオフィルムという細菌の塊を作ります。バイオフィルムの中の細菌や、細菌が出す酵素によって、歯ぐきが炎症を起こします。
- 02
歯周ポケットの深化
歯周ポケットが形成され、バイオフィルムが成長し始めると、体は細菌を排除しようとします。白血球などの免疫細胞が、バイオフィルムを攻撃するために酵素を出しますが、バイオフィルムはバリアのように守られているため、十分に攻撃できません。逆に、この酵素によって歯ぐきの組織が壊され、歯肉の炎症がさらに広がってしまいます。
- 03
バイオフィルムの成熟
バイオフィルムが成熟し、さらに大きくなると体の免疫反応も強まり炎症が続きます。この状態を放置すると、炎症は歯ぐきだけでなく、歯を支える骨にまで広がって骨を溶かしてしまいます。その結果、歯はぐらつき、最終的には歯は支えを失って抜け落ちてしまう可能性があります。
歯周病がもたらす
全身への影響 Effects

歯周病は、単に口の中だけの問題と思われがちですが、実は全身の健康と深く関わっています。歯周病の原因菌は、歯ぐきの毛細血管から血液中に侵入し、全身に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、中期から末期の歯周病は、右記の図のような病気の発症リスクを高めると言われています。
これらの病気は、命に関わる深刻なものです。歯周病を「たかが歯の病気」と軽視するのは非常に危険です。さらに、歯を失うことで認知機能の低下や運動能力の低下にもつながる恐れもあります。歯周病は命にも関わる大きな病気を引き起こす原因となることを十分に理解し、予防に努めることが重要です。

また、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病になる危険度が3倍以上という報告もあります。タバコを吸うことで歯周病を引き起こし、悪化させることは周知の事実です。喫煙は免疫機能を低下させ、細菌感染のリスクを高めるため、歯周病菌にも感染しやすくなります。喫煙は歯周病だけでなく、様々な病気の原因となるため強くお勧めします。
歯周病の治療法について About treatment
- TREATMENT 01
口腔清掃指導
歯周病の根本的な原因は、歯の根元の磨き残しです。いくら歯冠(歯の頭の部分)を丁寧に磨いても、根元に汚れが残っていると歯周病は防げません。口腔清掃指導では、歯周病の進行度に合わせた適切な歯ブラシや毛先の当て方などを丁寧に分かりやすくお伝えしています。
「一生懸命磨いているのに歯周病になってしまった」という方の多くは、磨き癖がついており、気づかぬうちに同じ部分に磨き残しが起こりがちです。口腔清掃指導で、正しい磨き方を身に着けて磨き癖を改善しましょう。 - TREATMENT 02
スケーリング
歯の表面についた歯垢を3日間放置すると、硬い歯石へと変化します。歯石は歯ブラシの毛先で落とすことができず、歯科医院で専用の器具や機械を使って除去しなくてはいけません。その処置をスケーリングといいます。
歯石の付着が見える範囲だけでなく、歯ぐきのなかに入り込んでいる場合はSRPという別の処置が必要です。歯石が多いと、除去したあとに知覚過敏になることがありますが、一時的な場合がほとんどですのでご安心ください。
また、機械は基本的にパワーの調節が可能ですので施術中にしみる痛みを感じたときは、遠慮なくスタッフにお伝えください。 - TREATMENT 03
エアフロー
エアフローとは微細なパウダーと水を噴射して、歯の表面に付着した汚れや着色をやさしく、より短時間で取り除くことができるクリーニング機器です。スケーリングやPMTCでは落としきれない歯と歯のすき間の着色汚れにも効果があり、喫煙習慣のある方や、コーヒー・紅茶・赤ワインなど色の濃い飲食物をよく摂取される方に特におすすめです。当院では、快適性・安全性・スピードを兼ね備えた最新機器「プロフィラキシス マスター」を2台導入し、より質の高いケアを提供しています。
- TREATMENT 04
ブルーラジカル
Comming soon
- PERIODONTICS
歯周内科
これまでの歯周病治療では、歯石を取ったり、外科的な処置を行ったりする方法が一般的でしたが、当院では「歯周内科治療」と呼ばれる、薬を用いた新しい治療法を取り入れています。この治療法では、まず患者様の唾液を採取し、「位相差顕微鏡」と呼ばれる特殊な顕微鏡を使って唾液中の細菌の種類や数を調べます。その検査結果をもとに、原因菌に効果のある抗生物質や抗菌剤を選び、服用していただくことで歯周病の原因菌を体の内側から減らしていきます。
治療効果を高めるために、ご自宅での正しい歯磨き方法などのホームケア指導を行い、必要に応じて歯のクリーニングも実施します。このように、細菌検査から始まり、お薬の処方、日々のケア、クリーニングという一連の流れで、歯周病を根元から改善していくのが歯周内科治療の大きな特徴です。外科処置を行うことなく、痛みも少なく、通院回数も最小限で済むため、患者様への負担が軽減されます。従来の治療ではなかなか改善が見られなかった方や、痛みに敏感な方にも、不安なく受けていただける治療法です。
歯周外科

フラップ手術
歯ぐきのなかに入り込んだ歯石があると、SRP(Scaling and Root Planing)を行って歯石や感染組織を除去しますが、歯周病が進行していると、SRPではあまり改善がみられないことがあります。歯石や感染組織は悪化の原因となるため、そのような場合は、麻酔をして歯ぐきを切開し、目視下で歯石や感染組織を徹底的に除去するフラップ手術を行います。

リグロス
歯周病は歯ぐきにのみ感染がみられる「歯肉炎」と、歯ぐき以外の歯根膜や歯槽骨にも感染がみられる「歯周炎」の2つに分けられます。歯周炎で歯槽骨を多く失うと、歯のグラつきが現れるだけでなく、噛んだときに痛みがでたり歯を失ったあとの治療にも支障をきたしたりします。
とくにインプラント治療をする際には、歯槽骨の厚みが必須です。治療を受けたくても受けられないという状況になりかねません。当院では失った骨を再生させるリグロス手術を行い、歯周病治療やインプラント治療に役立てています。