小児矯正は始めるタイミングが大切です BEST TIMING
小児矯正は、乳歯が永久歯へと生え変わるタイミングに行う治療です。今ある歯だけでなくこれから生えてくる永久歯が自然ときれいに並ぶよう誘導する役割があり、顎骨の大きさを調整したり口周りの癖を改善したりと、成人矯正では得られないメリットも多々存在します。
小児矯正をはじめるタイミングは5歳~7歳が適しているとされ、それ以上になると十分な効果が得られにくくなる可能性があるので注意が必要です。
SYMPTOMS お子様にこんな癖
ありませんか?
- 01 気づいたらお口がポカンと開いている
- 02 寝ているときにいびきをかく
- 03 噛んだときに下の前歯が出ている
- 04 乳歯がすき間なく並んでいる
成長期の今こそ、整った
歯並びが重要です。

お子様の歯並びや噛み合わせは、見た目の問題だけでなく、健康や心の成長にも大きく関わっています。歯並びが悪いと、歯と歯の間に汚れがたまりやすく、歯ブラシや歯間ブラシが届きにくくなります。そのため、毎日のケアが難しくなり、虫歯や歯ぐきの病気のリスクが高まってしまいます。さらに、口元の印象が気になることで自分の容姿に自信を持てなくなることもあります。
また、噛み合わせが整っていないと、食べ物をしっかりと噛むことができず、十分な栄養が摂れない可能性があります。これは、体の成長や健康状態に悪影響を及ぼすだけでなく、丸飲みによる胃腸への負担も心配です。
加えて、舌や頬の内側を噛みやすくなり、口内炎の原因になることも。不正咬合は、発音のしづらさにもつながり、言葉の発達に影響することがあります。小児矯正は、そうしたリスクを未然に防ぎ、お子様の健やかな成長をサポートする大切な治療です。成長段階にある今だからこそ、矯正治療がスムーズに進みやすく、より良い効果が期待できます。歯並びや噛み合わせが気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。
小児矯正治療を
早く始めるメリット Merit
- Merit 01
手術をせずに上下顎のバランスを整えられる
専用の装置で顎骨を徐々に広げることができる小児矯正は、顎骨のアンバランスが原因の症例や受け口の予防に適しています。永久歯がきれいに並ぶためのスペースも作れるため、将来的に成人矯正が必要になっても抜歯をするリスクがほとんどありません。
- Merit 02
装置を使用する時間が短い
タイプによって異なりますが、成人矯正とくらべると装着時間が短いものが多く、その分患者様の負担が少なくなります。就寝時間と起きている間の1時間使用するタイプのものは、管理を行うご家族の方にとっても続けやすいでしょう。
- Merit 03
治療の痛みが少ない
顎骨が柔らかい成長途中の時期に行うことで、歯が動く痛みをある程度抑えられます。成人矯正にくらべて負担が小さいため、モチベーションが低下しにくく、食事に困ることもほとんどありません。
- Merit 04
歯科医院の雰囲気に慣れやすい
矯正治療は1~2か月に1回のメンテナンスが必須です。自然と歯科医院の雰囲気に慣れやすく、早い時期から歯科に対する関心が高まるのも小児矯正の大きなメリットです。クリーニングも定期的に行うため、周囲の子よりも早く歯科治療における予防の大切さについても学べます。
- Merit 05
骨格から整えることで、
スムーズな鼻呼吸をサポートできる成長期に矯正治療を行うことで、顎の骨格を正しい方向へ導き、将来的に整った顔立ちとなります。また、歯並びが整うことで気道が確保され、睡眠の質の向上や集中力アップにもつながる鼻呼吸がしやすくなる効果も期待できます。
- Merit 06
日々の歯磨きがより
簡単に、効果的に行える治療によって歯並びが整うと、歯と歯の間や奥歯など、これまで磨きにくかった部分にもしっかりとブラシが届くようになります。これにより、効率よくプラークを除去でき、虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。
- Merit 07
不正咬合を引き起こす癖を早期改善し、
正しい噛み合わせへと導くお子様の成長過程で見られる指しゃぶりや舌の癖、口呼吸といった習慣は、顎の成長や歯並びに悪影響を及ぼし、不正咬合の原因となることがあります。小児矯正では、これらの習癖を早期に改善するための指導や装置を用いることで、将来的に正しい噛み合わせを獲得し、健康的な口腔機能の発達を促すことができます。
8歳までに矯正治療を開始しよう
10歳以降になると顎骨の成長が止まり、固定式の装置を使う可能性が高くなってきます。
8歳までに 治療を開始 | 10歳以降に 治療を開始 | |
目立ち にくさ | 取り外し可能で目立たない | 固定式だと 目立つ |
痛み | 強い痛みを 感じにくい | 強い痛みを 感じやすい |
永久歯 の抜歯 | 抜歯のリスクが下がる | 抜歯のリスクが高い |
治療 期間 | 1〜2年 | 2〜4年 |
虫歯の リスク | 取り外して管理できるので心配は少ない | 固定式だと 磨き残しが おこりやすいので 要注意 |

- TREATMENT
顎の成長を利用した治療法
顎骨の成長期に行う小児矯正は、骨格の問題を手術なしで改善できることが多く骨が柔らかい分、強い痛みを感じにくいのが特徴です。
使用する矯正器具のなかには口周りの癖の改善に効果的なものもあり、将来の歯並びが崩れる根本的な原因を取り除くことができます。癖が残ったままだと成人矯正を行っても後戻りのリスクが高いため、早めに改善しておきましょう。
MFT(口腔筋機能療法)という特殊なトレーニングの筋機能療法を合わせて行うことで、唇や頬、舌を正しく使えるようになり、口呼吸の改善や嚥下機能の向上に役立ちます。
若泉歯科クリニックでは、患者様のお口の状態だけでなくご年齢や性格に合わせてその時々に適した治療法をご提案しております。各装置の特徴やメリット・デメリットはカウンセリングでしっかりご説明しますので安心してご相談ください。
不正咬合の種類
上顎前突
上顎の前歯または歯列全体が前方に出ている噛み合わせです。主な原因は「長期の指しゃぶり」「舌で上顎の前歯を押す癖」「口呼吸」などです。
下顎前突
下顎の前歯または歯列全体が前方に出ている状態です。「舌で下顎の前歯を押す癖」や「下顎を前につき出す癖」、「口呼吸」などが主な原因として考えられます。
過蓋咬合
奥歯で噛んだときに上顎の歯列が下顎の歯列を深く覆いすぎている状態です。主な原因は「下顎の成長不足」「上顎の過成長」などがあります。
開口
奥歯が噛み合っていても前歯に隙間がある不正咬合です。「指しゃぶり」や「舌を出す癖」が原因とされ、発音しにくい、食べ物を噛み切りにくいなどの影響があります。言語発達や成長にも影響があります。
交叉咬合
奥歯で噛んだときに上顎と下顎がズレている状態です。通常上顎は下顎を少し覆う状態になりますが、交叉咬合だと下顎の一部が上顎より外側に出ており、顎がズレてお顔の歪みが目立つケースも珍しくありません。主な原因は「下顎の過成長」「長期の頬杖」「長期のうつ伏せ寝」などです。
歯間空隙
歯と歯の間にすき間がある状態です。主な原因は「歯に対して顎骨が大きすぎる」「顎骨に対して歯が小さすぎる」などです。
永久歯列では問題がある歯並びとして診断されますが、乳歯列の場合はすき間がある状態が正常ですので治療は必要ありません。叢生
顎の成長不足により永久歯が正しい位置に生えられず、歯が凸凹に重なり合った状態です。乱杭歯や八重歯とも呼ばれ、日本人に多い不正咬合の一つです。見た目が悪いためコンプレックスになりやすいだけでなく、複雑な歯並びは歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病のリスクを高めます。
矯正装置について

拡大床
顎骨を広げる矯正器具です。一気に広げるのではなく定期的に装置の幅を調整して行うため、強い痛みを感じることはありません。取り外し可能で、お手入れもしやすいため、衛生的に管理できます。1日あたりの装着時間は8時間以上が目安です。

マイオブレイス
お口周りの癖を直しながら、歯と顎骨の位置を適切な位置に正す装置です。乳歯が生えそろう前から使用でき、柔らかい素材でできているので装着時の痛みがほとんどありません。 取り外しができるため清潔に保ちやすく、装着時間は就寝中と起きている間の1時間です。

お口のトレーニングMFT
(口腔筋機能療法)
MFT(口腔筋機能療法)は、歯並びや顎の成長に影響する舌や唇などの筋肉のバランスを整え、正しい機能を獲得するためのトレーニングです。歯科医師や歯科衛生士の指導のもと、お子様一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドのプログラムを組んで訓練を進めていきます。
具体的な治療法としては、舌の位置を意識する練習(スポット)、舌を様々な方向に動かす訓練、唇を閉じる力を高めるエクササイズなどがあります。また、正しい鼻呼吸の習慣を身につけたり、食べ物をゆっくりと咀嚼し、舌を適切な位置に保って飲み込む練習も重要です。これらのトレーニングは、自宅でも継続的に行うことが基本となります。MFT実践することで、不正咬合の改善や予防、咀嚼・嚥下機能の向上、発音の改善などが期待できます。

お子様の未来の笑顔のために
「MRC矯正」という新しい選択
MRC矯正は歯並びの乱れを“予防”することに着目した、口腔筋機能訓練とマウスピースを組み合わせた小児期から始められる新しい考え方の治療法です。従来のワイヤー矯正とは異なり、マウスピース型の装置と毎日のトレーニングを通じて、歯並びが悪くなる“根本原因”にアプローチしていきます。口呼吸、舌の位置の異常、飲み込み方の癖などは、顎の正常な成長を妨げ、将来的な歯並びの乱れにつながる要因です。
MRC矯正では、そうした悪習癖を改善し、正しい鼻呼吸・舌の位置・嚥下の習得を目指します。 治療は4~8歳頃の成長期にスタートするのが理想的で、柔軟に変化するこの時期だからこそ、より自然に正しい口腔機能を身につけることができます。顎の発育が整うことで、永久歯が正しく並ぶ土台を育てることもできます。MRC矯正を行った後に通常の矯正へと移行した場合でも、正しい呼吸が身についているので、治療がスムーズに進みやすく、後戻りのリスクも抑えられます。定期的なチェックとトレーニング指導は保険診療内で対応可能なケースもあり、経済的な負担を抑えながら継続できます。

矯正歯科治療を専門に
取り扱う歯科医師が在籍
一般的な矯正治療の場合は院長が担当しますが、顎の骨のズレが大きいなど、より高度な治療が必要な症例に関しては、矯正治療を専門とする矯正認定医をご紹介しています。患者様のご希望があれば、一般的な矯正治療であっても、矯正認定医が担当させていただくことも可能です。
矯正治療には、専門的な知識と技術が欠かせません。患者様のご希望やライフスタイルに合わせて、治療計画を立案させていただきますので、少しでも気になる症状がある方は、いつでもお気軽にお問い合わせください。