こんにちは。 若泉歯科クリニック 院長 若泉学史です。
早速ではございますが、前回投稿した記事の続きをお話ししていきたいと思います。
「睡眠時無呼吸症候群と歯」についての関係です。
なんとなく名前を耳にしたことがある方がいるのではないでしょうか。
一時的に睡眠中呼吸が止まってしまう病気を睡眠時無呼吸症候群といいます。
睡眠中に呼吸が止まると、眠りの質が悪くなり睡眠時間が不足してしまいます。
ニュースでもたまに見かけたりしますが、こうしたことが原因で、運転者が交通事故をもたらす事もあります。そのため道路交通法が改正されて、自動車免許の申請や更新の際に、睡眠障害について申告が義務付けられるようになりました。
※未申告の場合には罰則が設けられております
また、睡眠時間が短くなってしまいますと、肥満、高血圧や心臓病、また糖尿病などといたった生活習慣病を招く危険性がある、と科学的に明らかにされてきています。
ではなぜ睡眠中に呼吸が止まってしまうのでしょうか。
それは、寝ているとき、肺への空気の通り道である気道に舌が落ち込んでしまう、また扁桃肥大を起こすことにより、気道のスペースが塞がれてしまうことで起こるのです。
これを「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」といいます。
日本人には顎の小さい人が多く、そのため骨格的にどうしても気道が塞がりやすいため、痩せていてもOSAの人がいます。
もちろん、検査・診断をするには通常医科で行いますが、歯科医師も検査・診断について共有しております。
日頃からお口の中や顎などを専門的に診ている歯科医院は、そういった観点から、睡眠時無呼吸症候群を引き起こすような状態を早期に発見しやすいです。
OSAであると診断が確定しますと、睡眠中の呼吸をサポートする治療へ移行します。
また、他にもマウスピースをつける治療もございます。これは口腔内装置とも呼ばれ、この治療をする時が、まさに歯科医師の存在です。患者さんにあった歯の印象とかみ合わせになるよう、経験豊富な歯科医師が製作していきます。その後、マウスピースの調整を経て、お口の中の気道をしっかりと作ることで、OSAを治療していくことになります。
歯並びやかみ合わせ、顎の発育の矯正を行うときには、口の周りの筋肉の動きや、呼吸などもしっかり安定させるように進めることが大切です。
症状によっては専門の医療機関を紹介することもできますので、気になる方はご相談ください。